えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

魂の孤独

緊急医療室を扱った海外ドラマ『ER』。ウィーバーという登場人物がいるんですが、彼女は勝ち気でやり手・かつ優秀という非常に押し出しもクセも強いER部長なのですが、片足が不自由でずっと杖をついているんです。もう何シーズンも継続して出演していて、グリーン先生・カーター先生がレギュラーから外れた今では、ひょっとしたら最長出演キャラかもしれません。


そんな彼女の足が股関節形成手術で治ることになったのですが、彼女は何かと理由をつけて手術を先伸ばしにしようとするんです。そしてそれをたしなめた友人の前で語るのです。「ずっと杖をついていたのが自分だ」と。「足が治れば自分が自分でなくなってしまうようで怖い」と。心を許した友人の前だけで、彼女は涙を流すのでした。それが前回。


そして今回。
無事に手術を終えて退院したウィーバー先生。少々ぎこちないながらも杖なしで歩いています。そしてERに立ち寄るとみんなから声をかけられるんです。


ウィーバー先生、カーテン4号に外傷患者が待ってるんでお願ーい」


初めての杖なしでの登場。しかしいつもとなんら変わらぬ周囲の反応。「今日はオフだから」と断って、一人エレベーターに乗り込むウィーバー先生。それ以上に、特に叙情的な描写があったわけではありませんが、それだけに一層、胸に迫ってくるものがあるのでした。


人は孤独だ。


魂の真実は、その人だけの真実でしかない。


同じ真実の重さを他者と分かち合うことは、ない。