読了
『ニッポンの評判 世界17カ国最新レポート』 (今井佐緒里:編 新潮新書)
世界17カ国の、現地住む日本人の目を通して語られるその国での日本人観を紹介。書き手によってまちまちではあるが、
エキゾチック/伝統文化/世界大戦
↓
奇跡の復興/電化製品の国/勤勉
↓
オタクカルチャー/J-POP/HENTAI
と年代に分けて興味の対象が移行している点などがわかりやすく紹介されていた。ネガティブな部分もあるが、概ね「こんな風に評価もされているんだから長所はもっと伸ばそう」といったところが全体的な主題。やはり個人的には『聖闘士☆星矢』が日本人観を劇的に変えたブラジルの話などオタ文化をからめたものが楽しく読めた。全体としてはビジネス寄りの話が多かったけど。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど割と偏りなく19人の在外日本人によって書かれているのだが、仕事柄どうやってこれらの書き手を集めたのかは気になった。相当手直しはされているにしろ、皆さん、本業の物書きでないながら普通に読みやすく、主題も明瞭な良文だったもので。浮かれるでもなく、説教臭くなるわけでもない全体のトーンの統一感といい、編集が良い仕事してるんだろう。