えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

読了

『空の中』 (有川浩:角川文庫)★★★★☆
図書館戦争』シリーズの有川浩が放つスペクタクルエンタテイメント。
高度2万mの上空で相次ぐ飛行機事故。メーカー担当と空自パイロットがその空域でみつけた驚異の存在とは? 


UMA、少年との交流、老人、対策本部、集まるプロフェッショナルと巻き込まれる素人、すれ違いの悲劇、日本壊滅の危機、帰るべき故郷、その象徴としての少女……怪獣映画ではないけれど、プロットとして怪獣映画に求められる要素がすべて内包されている。しかもどれもが文句無しに高いレベルで。それもこれも「帰るべき日常」として仁淀川の風景とそこに住む人がしっかり描かれているからこそ、浮ついたものとならずに、一気呵成に読み進めさせる原動力となっている。もちろん描かれるキャラクターも魅力的だ。集められたピースがキチッと隙間なく埋まって機能し、集約されてゆく気持ち良さは、劇場版パトレイバー第1作にも通じる。
特撮好きは全員読むべし! 邦画界はまじめに映画化を!