えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『仮面ライダー電王』


今日で最終回でした。番組開始当初指摘した通り、

イマジン(敵怪人)が未来からやってくる→人間に憑依してその願いを叶える→その人間に関わりのある過去の時間へ飛ぶ→良太郎たちデンライナーでその時間へ追跡→バトル→現代へ戻る

という戦いに至るまでのシークエンスは子供番組としては複雑過ぎたし、最終回へ向けた特異点だの、分岐点だのといった要素は何がどうなっているのか、大人の私でもサッパリわかりませんでした。なのに全体の印象として面白かったのは、結局はバディ(相棒)ものとしての骨子がしっかりしていて、キャラクターが立っていたからでしょう。


『電王』では、主人公の良太郎に本来は敵であるはずの4体のイマジンが憑り付いて、力を合わせて戦うというのがポイントでした。一つの体を共有している点は特殊ですが、キャラクターの関係性で見ると『うしおととら』に近い異種間バディものの王道であるとも言えます。

・乱暴者で意地っ張りのモモタロス(俺、参上!)
・軽薄で女好きのウラタロス(僕に釣られてみる?
・寡黙で漢気溢れるキンタロス(泣けるでぇ)
・我侭で無邪気なリュータロス(答えは聞いてない!)

これら個性的なイマジンが入れ替わることで4種の形態に変身するわけです。それぞれイマジンと良太郎、そしてイマジン同士も、ちょうど漫才のボケとツッコミのように関係が明確で終始ブレることがありませんでした。だからストーリーがよくわからなくなっても、彼らのやりとりを見ることで作品を楽しむことができたのです。また、皆どこか能天気で憎めない愛嬌がある性格だったのが良かったと思います。ここ近年のライダーによくあったように、味方同士で仲間割れしたり、ウジウジ悩んでいたって、見ている方は楽しくないですからね。


基本的にこれはもう一人のライダーである桜井とデネブでも同じで、キャラクターの関係性こそがこの番組の面白さの源泉でした。だからこそ「良太郎との間に絆があったからモモタロスたちは消滅せずに済んだのだ!」という強引過ぎる大団円の理由付けにも、「まぁいいか(^^;」となんとなく納得できてしまえます。


ただ一点、ヒロイン役の白鳥百合子さんが体調を崩されて、途中降板されてしまったことだけは残念でしたね。素手モモタロスたちを殴る蹴る踏んづけるの良いキャラクターだったのに……。しかしスタッフさんはなんとか白鳥さん抜きで話の辻褄を合わせていましたね。なにはともあれ、一年間本当にお疲れ様でした。


※)今日の(白鳥さんのblog)を見れば楽しそうな撮影の様子が窺えます。