えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

歴史認識

歴史には事実の羅列という客観的側面と、それをどう受け止めるか、そしてどれだけの人とどう共有するかという物語としての側面があって、もちろん私が興味を持つのは後者です。事実として事件が積み重なっていても、それによって物語に変化がもたらされなければそれは停滞でしかありません。


もはやモーニング娘。の歴史を更新する最大の切り札である卒業や増員すら恒例行事となり、俯瞰すれば停滞の一部でしかありません。結局私はコンコンとマコトの卒業をモーニング娘。の物語にどのように組み込めばいいのか、自分を納得させられる答えは出すことができませんでした。「彼女たちにとっては幸せな青春であった」とあえて視点を狭めることで落とし所を作っただけです。グループのこの先を見通しても、卒業関係での物語ののび代はミキティの「卒業→ソロ復帰」ぐらいしか残されていないんじゃないかって気がしています。変化を亡くし、ファンは共有すべき物語を喪失している。そして停滞した閉鎖系の中はどうしても澱んでしまうものです。


毎日歴史が更新されている新グループに興味が移る人の気持ちも少しわかるんです。ただ目新しさや物理的近さだけを求めているんじゃなくて、歴史が更新される瞬間を共有する喜びがありますからね。2年前のBerryzとか、今年の℃-uteとか、やっぱり見ていて楽しいだろうなぁとは思いますもの。それがモーニング娘。を見るより楽しいという事は認めたくはないんだけれど。



そんな中で、破格の練習時間を設けて、メンバーが一丸となって取り組んだ今回のミュージカル『リボンの騎士』は久しぶりに歴史の新しい1ページを更新する出来事だったんじゃないでしょうか。久しぶりに界隈の多くの人が反応しているのはそういうことなのでしょう。例えば2004年や2005年の夏を振り返っても、それがどういう季節だったのかイマイチ思い出せません。だけど、2006年の夏はきっと「リボンの夏」なんじゃないかな。