えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『オクシタニア』

オクシタニア』読了。佐藤賢一の小説の中では珍しく、と言うか唯一 イマイチだったかも。氏の作品の魅力はシンプルな行動原理しか持ち得ぬ人間が、懸命にあがき、避け得ぬ選択を重ねた結果、時として歴史に名を残すほどの人生を残す様を描き出す点にあると思ってる。だけど、今回はオクシタニア地方・アルビジョア十字軍を題材とするだけに、登場人物たちがカトリックカタリ派の間でああでもないこうでもないと思い悩むことが多いのだ。それで氏の描き出す人物像の魅力である男根と脳が直結しているかの如き明瞭さが失われていたように思う。


シモン・ド・モンフォールが主役の第一部は面白かっただけに残念。