えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ロボットアニメ

一般的に、少年が主人公となる伝統的なロボットアニメにおいては、ロボットという要素は少年が(大人)社会での自己実現を可能とする「自己の能力の延長」として描写されることが多い。


 −−−社会において「一人前」たり得ない少年主人公がロボットというツールを得ることで、大人以上の能力を発揮し、周囲にその存在意義を認めさせる−−−。 


少年主人公が視聴者の感情移入の対象であるからこそ、そこにカタルシスや爽快感が発生するのである。そして少年がロボットに乗り込む動機は以下のようなパターンが考えられる。

①社会(周囲・大人)への反発と自己顕示欲
②肉親から譲り受ける、あるいは肉親の仇や名誉のため
③少女を守るため、あるいは少女の好意を獲得するため

例えば『機動戦士ガンダム』などはこの3つ全てを全て満たしている。「復讐」という動機も基本的には①に分類できるだろう。また、③はロボットものに限らず、『銀河鉄道999』や『天空の城ラピュタ』などを見てもわかる通り、作劇において「美少女」というファクターは「少年」を非日常の冒険へと歩き出す「根拠」を与える役割となることが多い。いわゆる「ボーイミーツガール」は物語の始まり方の王道なのである。そして多くの場合は少年自身が成長し、社会に対応するためにロボットという特殊ツールを必要とすることがなくなって、要するにロボットから卒業して日常生活に帰ってゆくことで物語は完結する。



一方で最近はロボットアニメとして別の潮流が目立っている。そこでは主人公である少年は視聴者の感情移入の対象ではなく、ただ憧れや萌えの対象である鑑賞物なのである。『ガンダムSEED』もこれに分類できるだろう。もちろんオーソドックススタイルとこの新しいスタイルが完全に両者が分化しているわけではない。『ガンダムW』などは典型的な後者のスタイルとして始まっていながら、後半ではかなり前者の要素も見せていた。