訃報 パット・モリタ氏

http://www.sanspo.com/geino/top/gt200511/gt2005112613.html
映画『ベストキッド』の師匠役でお馴染みのノリユキ･パット･モリタ氏が老衰で亡くなられたそうです。モリタ氏は戦時中に強制収容所で生まれたということで、『ベストキッド』劇中でのミヤギ師匠の設定はかなり事実とシンクロする部分もあったんですね。彼の経歴や経験談から脚本にフィードバックされた部分もあるのかもしれません。ご冥福をお祈りします。

『ベストキッド』と言えばやはり第一作のお手伝い型空手指導が有名。でも敵役の「コブラ会」といういかにもなネーミングとか、４作目の「今度の弟子は女子高生！」というキャッチなんかも大好きで印象に残っています。単純明快でなんだか微笑ましいじゃないですか。さすがに20年前の作品ですから今見るとどうしようもなく古臭いんだろうけど、娯楽映画のプリミティブな楽しさが詰まっていて大好きな作品です。暴力による勧善懲悪を無制限に認めるアメリカ映画が多い中で、自慢のための力の顕示を戒め、最後の最後まで道徳的な部分に拘る姿勢を登場人物たちが見せてくれたのも好印象でした（まぁ最後は殴るんだけどな）。敵役もステレオタイプな悪役ながら完全な異人種ではなく、何か一つきっかけがあれば友達になれそうな余地をどこかに感じさせるのもいい。淡い恋あり、成長物語あり、教訓あり、ちょっぴりしんみりする部分もあり、そして痛快なカタルシスありの青春映画です。監督は『ロッキー』のジョン・Ｇ・アヴィルドセン。

ただ『２』で描かれてる“沖縄”はアレ完全にどっか別の場所で撮ってるよな。
あれじゃ未開の島じゃん……。