えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

メイドまみれの一日に

今日はマサキさんと待ち合わせてオタクの楽園・秋葉原へ。普段渋谷や池袋では「ヲタ瘴気が薄くて住み辛い!」と感じる腐海の蟲たる私でも、さすがに秋葉原の空気は濃過ぎる。本当にバンダナ巻いてる人とかがいる。ここは蟲も落ちる粘菌の森か!? 


とりあえず私たちが向かったのは先日TVで紹介されていたメイフットメイドさんリフレクソロジーとかハンドマッサージをしてくれるお店だ。店についた瞬間に入り口にかけてあったウェルカムボードが床に落ちて嫌な気分になる。テリーマンのクツひものような凶兆では!? ちなみになぜメイドさんなのかはもはや誰も問わない、この街では。


施術場のすぐ横で待たされること数10分。横からは客とメイドさんの会話が聞こえてくる。ポケモンだとかメガドラ版の『幽遊白書』なんかの話を相手が微妙な空気なのにも気づかず熱く語っている。メイドさん。げぇ、オレこの人と熱く語れるほどの引き出し持ってないよ! とか狼狽していたけど結局私にはしずくさんという別のメイドさんがつくことになった。一安心。マサキさんとは隣同士のイスに横たわっているので互いのメイドと交わす会話が相手に聞こえるという素敵過ぎる空間。まぁ、先にあげた濃いメイドさんがマサキさんついてほとんど場を支配して一方的に話してたんですけどね。しかも話してる内容は秋葉原の各メイド喫茶についてって…。施術は結構本格的。私の担当についたしずくさんは元々リフレクソロジーの仕事に就きたかったらしい、その上コスプレも好きだと言うからこのお店はまさに世界で唯一の天職と言えよう。ちなみに彼女は他のメイドさんとは違った和風テイストのメイド服を着てたんだけど、それは私物だそうだ。料金は基本的に10分1000円でマッサージとしてはごく普通の相場。メイド喫茶などと比べて取った時間はがっつりメイドさんと会話ができるので、その筋の人には満足な内容なのではないでしょうか。マッサージ店なのに妙に気疲れをして退出。


「いってらっしゃいませ」とメイドさんたちに見送られて着いた先はゲーセン。そこで三国志大戦をプレイ。元祖桃園デッキに戻して久しぶりに討伐成功。その後は昼食にしますか、ということでごく自然にメイド喫茶コスチャ』へ。なぜだか「学校の机」の席に案内される。あのパイプ足むき出しの学校の備品のような机だ。そして机のすぐ横にはゲタ箱。入ってるクツはみなメイドさんたちの私物らしい。しかしシチュエーションプレイにしたって学校だってこんなクツのそばではメシは食わんだろう。ってかそもそも学校にメイドはいないし。などとツッコミ所は無数にあるものの、あまりにそれが当たり前であるかのごとく誰もが振舞っているので私には何も言うことができませんでした。マサキさんと学校机を合わせた「弁卓」スタイルで昼食。話した内容は主に三国志大戦と失業保険について。


食事が終わって再びゲーセンへ。やることは相も変わらず三国志大戦。この時は5品と6品の間を行ったり来たりの繰り返し。6品の澱んだ空気はもう嫌じゃよ。早く5品の澄んだ空気に戻りたい…。


プレイ後は「一休みしましょうか」と言って連れてこられたのがメイド喫茶JAM」。もうどんなけメイド好きやねん、て言う、ね……。ここはコスチャに比べるとかなりフランクにメイドさんが客に話しかけてくるお店で、メイドさん目当ての人はこちらの方が満足できるかも? 正直私にはメイド属性はあまりなく、メイドさんのどこがそんなにいいのかはイマイチ理解できていない。いや、ファッション的な魅力や主従関係の浪漫はもちろん理解できるんだけど、そこまではハマれないという意味でね。だけど今は「なんでそれにハマるの?」という意味じゃ私もあることに関してまったく人のことを言えない状況だったりするので、そこはなんとなく傷を舐めあう感じに。店内は客は少なく、ネットを見ているとどいつもこいつも無職な気がしてなんとなく危機感が薄れるけどこうして平日出歩くとやっぱり世間の人達は会社で働いているんだなぁと実感させられる。何やってるんだろうなぁ、オレたち…。JAMを後にすると外は雨。2人はここで解散。だけどマサキさんはその後も秋葉原の街に消えて行ったという…。


萌えという浮薄なニーズだけで一つの街の色が形成されているというこの街の現実にいつ来ても私は不思議な感覚に囚われる。どこか根本的な接地点が欠落していて何もかもがフワフワと非現実的だ。そこに安寧を見い出す気持ちと拒絶を感じる気持ちの両方が私の中には存在し、そのバランスは常に揺らいでいる。でも完全にこの街に染まる日が来ることはないだろう。なぜなら私はバンダナを持っていないからだ。