えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

読了

『芦屋家の崩壊』(津原泰水


妖怪に詳しい作家「伯爵」と「おれ」が共に旅をする間に巻き込まれる不思議譚…。


というわけで、このストーリー骨子からはどうしたって『百器徒然袋・雲 』の多々良先生と沼上の関係を思い出さざる得ない訳でして。キャラクターの個性、話の作り込み、知名度、あらゆる面で『百器徒然袋・雲 』の前には影がかすんでしまいます。この作品が面白くないわけではないだけに残念。まぁ『百器徒然袋・雲 』が例によって「薀蓄を楽しむ」という面が強いのに比べれば、こちらはよりシンプルな「怪奇短編集」という意味合いが強いので、その辺で読み分ければ、多少成りとも独自に楽しめるのはないでしょうか。まぁ、時間がない人は『百器徒然袋・雲 』だけ読めばいいと思いますけど。もちろんタイトルはポーの『アシャー家の崩壊』からなんですけど、内容には笑いの要素は少ないです。その半端さがいけないんだと思うんだけどなぁ…。