えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

宮本佳林はアイドルの価値を証明するアイドルだった。

宮本佳林はアイドルの価値を証明するアイドルだった。

この前の『関ジャム』とかもそうですけど、アイドルに対する世間の評価軸って歌ウマとかわかりやすい「スキル」に寄りがちじゃないですか。共有しやすいし、他人にプレゼンしやすいですからね。だけど、本当に歌唱力こそが重要なんだったら歌手の歌を聴けばいいし、ダンススキルが最重要ならダンサーを見ればいい。じゃあアイドル固有の価値とは何なのか。どうして私たちはアイドルに惹かれるのか?

 

「スキルが高い」と外部から評価してもらえることもあるハロプロですが、その中でもJuice=Juiceは特に高スキル集団だという印象があるかと思います。そのグループ内で、歌唱力最強と言えば高木さんや段原さん、ダンスと言えば稲場さん、グラビアアイドル的ルックスでは植村さんの名前が挙げられ、意外と宮本さんの名前が挙がる機会は少ないのではないでしょうか。しかしことセンターに相応しいメンバーが誰かと問えば、圧倒的多数で宮本佳林さんという答えが返ってくるでしょう。


もちろん佳林ちゃんのスキルは全方位に高いのですが、彼女はとにかく「アイドル性」というパラメーターが抜きん出た人でした。最強スキルメンたちと並んでもセンターを張るのは彼女しかいないと思わせてくれるほどに。

 

アイドル性とはすなわち人を惹きつける魅力であり、愛される資質です。見る者の意識を束ねるシャーマン的能力であり、空間の支配力でもあります。漠然としているがゆえに他者へのプレゼンは難しいのですが、それは確かに存在し、アイドルの輝きを目の当たりにした観客の間にだけ共有されます。

 

佳林ちゃんがスキル最強メンに囲まれながらも揺るぎないエースを勤めることで、アイドルの魅力とは決して歌手やダンサーといった専門職に劣るものではないと、アイドル固有の魅力と能力がそこにあるのだと、雄弁に証明されていたように思うのです。

 

そんな、「アイドルの価値」をハロプロの最前線で誰よりも証明し続けていた佳林ちゃんだからこそ、彼女が自らの意志でグループを卒業するというのは、私のアイドル観の根幹を揺るがす事件でした。アイドルの価値の証明者がアイドルであることに価値を見出していないのだとしたら・・・と混乱していたのです。

 

でもblogを読む限りは、グループアイドルからソロアイドルに転身した、ということのようなのでまずは一安心。また違う角度から、これまでと変わらずアイドルの魅力を発信してくれるのだと期待しています。

 

夫婦明暗の岐路?:キッチンのリフォームの話

■楽しいリフォームイベント

結婚後、「昭和の台所!」って感じで使い勝手が悪かった我が家の台所をリフォームしました。我が家では晩御飯はほとんど妻さんが作ってくれていましたが、昼は家にいる私が自分で作りますし、夜も洗い物は私の担当。2人とも使うものなので、事前にカタログを見て見当をつけ、リフォーム業者と相談した後にメーカーのショールームに2人で見に行ったんです。

 

一言で「キッチンのリフォーム」と言っても、全体サイズ、シンク、蛇口、排水溝、フードレンジ、ガスコンロ、壁、収納 etc・・・と、キッチンを構成する要素は多岐にわたり、各要素ごとにグレードや機能、色、素材が異なる商品があるので、それら一つ一つを選定していかなくてはなりません。そしてやっぱり使い勝手が良さそうなものほど相応にお値段が張るんですよね! 事前に内容や予算を見当つけて行っても、現物を見ると「やっぱりもうこっちの方が・・・」と迷ってしまう。ショールームならではの高揚感もあるし、ガイドしてくれるメーカーのお姉さんも弁舌滑らかだし。2人でアレコレ迷って相談した結果、結構予算オーバーにはなってしまいましたが、結果としてでき上がった今のキッチンはなかなかに思い入れがあります。

ちなみに一番のお気に入りは非接触センサー付きの蛇口です。全然予定になかったけど、ショールームで一目惚れしました。理由はSFガジェットっぽくてカッコ良かったから・・・💦

 

そんなこんなで、この日のことはあれこれ2人で迷ったことも含めて楽しいデートとして記憶に残っています。でもね、これも私が比較的余裕のある働き方をさせてもらってるおかげだなとも思うんですよね。

 

■結婚ダークサイド

例えばこれが夫は仕事が激務で、家事を全部奥さんに任せている夫婦だったとします。まずそもそも夫側はリフォームの必要性に思い至りませんよね。使ってないんだからそれが不便だとはわからない。実家は同じような昭和の台所で回ってたのに、どうして(自分が稼いだ大金を出して)リフォームしないといけないのか。夫側がそう思っていると、妻側は職場環境の改善を訴えているだけなのに、なぜかまるで贅沢なわがままを言っているような構図になってしまう。とは言っても予算を出してもらう身では下手に出るしかなく、さぞ理不尽な心境になるでしょう。なんとか口説き落としてリフォームを了承させたとして、妻側が一緒に相談して仕様を決めたいと言っても、夫側はそもそも使ってないキッチンに具体的な要望などないので「好きに決めたら」としか言えない。しかも「好きにすれば」と言いつつも、予算の相場感覚を共有していないので、それが高ければ「なんでこんなにするの?」と文句は出る。

 

ショールームに行くにも一悶着ですよ。まったく興味のない買い物に付き合うなんて退屈極まりないわけで、「激務の合間のせっかくの休みぐらいゆっくりさせてくれよ」というのが夫側の心情でしょう。行ってもあれこれ迷って時間がかかれば不機嫌になるかもしれないし、行かなかったら行かなかったで当初の予算をオーバーでもしていたら納得はいかないでしょう。かと言って予算通りに我慢しスペックを落としたら、妻側は台所に立つ度に不便を感じて「あの時にお願いを聞いてくれなかったから・・・」と少しずつ不満が溜まっていくかも。

 

■明暗を分かつもの

以上は大袈裟かもしれませんが、あり得ない話ではないでしょう。リフォームという同じイベントが楽しい思い出にも不満の材料にもなってしまう。結局は2人の気持ち次第で、それにはお金か時間か、何らかの形で余裕が必要なんだろうと思う次第です。我が家はお金はないけど私の勤務体系から時間には余裕がありますからね。

 

 

島倉りかを80年代のアイドルに!

Hello! Project 2020 〜The Ballad〜 町田市民ホール

9月27日に町田市民ホールで行われたハロコンHello! Project 2020 〜The Ballad〜』を見て来ました。この町田公演は、ハロコンツアーの中でも希少な4人という少人数での公演、しかもその中に小田さくら高木紗友希というハロプロきっての2大歌姫を擁するとあって、仮に推しメンがいなくてもちょっと行ってみたくなるような、なかなかに注目度の高い公演だったんじゃないでしょうか。

 

客席を瞬時に深い森に誘う小田、完璧なフェイクで胸に迫る情感を歌い上げる高木。やはり小田・高木の歌唱力は圧倒的でした。小野田紗栞さんも伸びやかで透き通るような高音ファルセットが生かせる曲では素晴らしく、なにより"理想の彼女"感を漂わせる現代的アイドル像の打ち出しとして非の打ちどころのない佇まいであったと思います(●●坂でセンターを張ってても違和感なさそうなほど…)。しかしことコンテンツバリューとしては、島倉りかさんのステージにこそ独自の将来性があるように感じました。

 

 

■見る者を昭和時代へと誘う島倉りかステージ

他の3人は、歌の世界観、歌唱、そして歌い手のルックスの3つが必ずしも一致しているわけではなく、曲によってはズレを感じます(『もののけ姫』を茶髪で歌ったり)。しかし島倉さんだけはすべて「昭和歌謡」に焦点を当てて作り込まれており、しかもその高い完成度から、見ている間は昭和時代にタイムスリップしたような感覚を味わえるのですよ。

 

歌い手個人の独自の世界観を持っている歌手はいますが、特定の時代観を出せる歌手は稀です。そして「あの人は今」や過去を振り返るランキング番組の放送、リバリバル作品・玩具のリリースが毎年絶えないように、一定の年齢以上の大人にとって自分の子供時代・青春時代へのノスタルジィは常に需要があり、しかも集金性も高いコンテンツです(りかちゃんが出演した『この差ってナニ?』の昭和歌謡特集も急遽2回に分けて放送されましたが、あれも需要があってこそでしょう)。 そう考えると、「80年代を体験できるコンサート」というのは、「上手い歌手のコンサート」とはもう一つ別の角度のバリューが乗っかっており、普段はお金を出してコンサートに行ったりしないような、従来のアイドルファン層の外の人々にもリーチするコンテンツになり得るのではないでしょうか?

 

 

■島倉りか昭和歌謡ショウ!

コンサートも歌唱ステージだけじゃなく、会場で当時風のアイテムや食べ物を売ったり、レトロゲームの筐体を置いたり、懐かしい映像を流したりと、80年代をモチーフとした体感型テーマパークとしても展開できそう。また当時の雑誌記事風のパンフレットやプロマイドなど、グッズ展開も考えやすいでしょう。現代的な双方向的コンテンツとしても「80年代の国民的アイドル 島倉りか」が実在したという体裁でファンワールドを展開していくのは楽しそうじゃないですか?

 

しっかり作り込めば、本当に今までの違う経路でのブレイクやマネタイズが期待 できそうな気がします。個人的にはBEYOOOOONDSのデビューがらみでその手腕を発揮した博報堂ケトルの北野篤さんチームにプロデュースをお願いしたいところです。

 

のぼる小寺さん

モーニング娘。OGの工藤遥による初主演映画『のぼる小寺さん』を見てきました。

 

やりたいことに真っすぐな小寺さんをハブとして、関わった人たちが少しだけ前向きになれると青春群像劇。--として素晴らしい内容であったことは少し検索すれば並々ならぬ熱量で語っている人がたくさんみつかると思うので、ここではハロヲタとして、やはりまずは女優・工藤遥が求められての起用だったと確信できたことに大いに喝采を送りたいのです。

 

 

もっと人気も実績も華もある女優さん--例えば橋本環奈や広瀬すず--を使いたかったけど予算とスケジュールが合わなくて工藤遥なっちゃった…というのとは違う。逆にもっと平凡なルックスの子が内容にはマッチしてたんだけど宣伝効果が欲しかったから名のあるタレント・工藤遥を起用した、というのとも異なる。ストーリーと演出の要請から工藤遥その人の起用が必要だったのだと、そう感じられる内容であったというのが嬉しいじゃないですか。

 

工藤遥の、いや我らが“どぅー”の最大の特徴はやはりハスキーな低い声でしょう。配役として「ただの美少女」を求めるのなら、そのハスキー要素がノイズとなってしまう。でもその低い声を特性として生かせるなら唯一無二の俳優となり得る。そこでこの映画での小寺さんというキャラクターですが、教室では少し浮いた存在で、思春期にありがちな自己顕示欲や、異性への興味、同調への焦り、はみ出すことへの恐れをあまり感じさせない子なんです。だから高く明るい声よりも、どぅ-の低い声が朴訥にも響いてよりハマっているんですよ。

 

それともう一つこの役の上で大事なのは「華やか過ぎてはいけない」ということ。「教室ではそこまでパッとしていないし、異性から注視される存在でもない」、「でもボルダリングに打ち込んでいる時は輝いて見える」というバランスがストーリー上必要なんです。その難しいバランスにどぅーが丁度良い。もちろん十分美少女などぅーですから、それは演出技巧もあってのことですよ? 教室のシーンではちょっと光の加減で顔色が暗く映されていて、一方で近藤君(小寺さんに惹かれいくクラスメート)が目撃する彼女のボルダリングシーンでは明るく、どぅーの透明感が際立つように撮影されている。ダラダラ饒舌な説明ゼリフなんかなくても、そのシーンの絵作りがそのまま近藤君の心理描写となって自然に観客の感覚に入ってくるのが、豊かな映像言語~~!って感じなんですよ。そう、輝いて見えたんだよな! 目標をまっすぐ見据えてる彼女が眩しかったんだよな!って伝わってくる。もうそのワンショットの説得力ね。これが冒頭にあることで、映画の牽引力でもある「頑張ることへの憧れ」に自然に共感し、スムーズにお話に入って行くことができました。派手なストーリー展開があるわけじゃないからすごく空気感が大切な映画なんだけど、かと言ってフワフワ作ってるわけではなく作劇技法としてロジカルに詰められているなと。

 

そもそも前述した通りの「自己顕示欲とは無縁の天然少女」をあの自意識の塊みたいなどぅーが演じてるのに、それがまったく自然に見えるっていうのがね! どぅー目当てで見に行った私のような人間が、どぅーとはまったく異なる少女として自然に見ていたのが既にすごいことですね。

 

 

 

 

■原作の見事な改変

原作コミックから映画への改編についても触れておきましょう。

 

原作の「小寺さん」は金髪の美少女で、露骨なセクシーアングルのショットも多い(ただし序盤のみで中盤以降はなくなる)。そして作品世界的にも衆目を集めるアイドル級の美少女ということになっています。よく「マンガはまずはキャラクター」と言われますが、原作における読者の興味を牽引する最大のフックがこのヒロイン・小寺さんのキャラとしての魅力であることは間違いないでしょう。

 

一方で映画では小寺さんは作品世界の中心ではありますが、物語はむしろ彼女の頑張る姿を見て心を動かされていく周囲の人々の姿を追うことで推進していきます。なので原作のままでは小寺さんのキャラクターが立ち過ぎる。そもそも原作のままだとヒロイック過ぎて実写映像のリアリティから逸脱してしまいかねない。そこで金髪から黒髪となり、「教室では目立たない子」に改変されているんだと思います。

 

これがアニメ化だったら改変は必要ないんでしょうけど、今回のように青春群像劇を目指して実写化するのであれば、適正な改変であったように思います。

 

ここから派生して一つ関心したのが、「田崎ありか」という登場人物が原作にはない眼鏡をかけていたこと。これは小寺さんを金髪美少女から黒髪地味子に改変したことを受けて、キャラクターの描き分けとしてありかはさらに地味に調整されているのでしょうね。原作のキャラクターデザインをただ引き写すのではなく、物語の役割上求められる姿にちゃんとリデザインしているのが、媒介に合わせた「正しい翻訳」って感じでした。

 

ただありかを演じるのが小野花梨さんなんで、野暮ったいおさげにダサ眼鏡でも、なんかこう、アレな魅力が滲み出ちゃってるんですよね(汗) まぁそこは仕方がない。あとありかのエピソードで一つ原作と意外な違いがあるので、そこは見比べてどうしてそうなったか考えるのもなかなか面白いと思います。

 

 

ソロフェス

ソロフェス

Twitterの覚書記録。

 

01.高瀬くるみ『Summer Wind

リクエストが多かった曲よりチャレンジングな選曲をしたというくるみんはしっとり系夏ソング。歌唱力的には申し分ないし、抑制的な感情表現も素晴らしいんだけど、いかんせんこの曲を歌うには先天的な声質の問題で、歌声に湿度が足りないように感じた。声がカラリと明るいからね。

 

02.佐藤優樹『dearest.』

覚書ナシ

 

03.井上玲音マジ夏すぎる

比較的最近ソロ歌唱を堪能する機会に恵まれてたれいれい。ガチな歌ウマ路線はそっちに回して、こっちは伸び伸びと歌ってるようでした。こぶし解散、新グループ加入という大きな山を超えてきてるだけあって、緊張も感じさせない歌いっぷり。

 

04.船木結『GIRL ZONE』

ふなっきは多芸ぶりと地力の高さという2つの異なるベクトルの実力を同時に見せつけたな! 優勝!

 

05.森戸知沙希『あなたなしでは生きていけない』

ソロフェスなのにつんく♂コーラス入り過ぎてほぼデュオw 間奏ダンスは9人分担のヴォーグだから、ソロ用にアレンジするのは正解だよね。見せ所設定的にも戦略的勝利!

 

06.岡村ほまれ『あまのじゃく』

あどけない声とスタイルの良さ。自分のストロングポイントの見せ方わかってる選曲ぅ。

 

07.横山玲奈付き合ってるのに片思い

よこやん、ヘッドセットマイクでのフルダンスと謎のフリップ芸、まけにかえでぃーイジりで確実に記憶に残るパフォーマンス。歌唱だけで突出することはできないことを自覚しての生存戦略! しかしイロモノと見せかけておいて「真の決め球はそう、私のこの笑顔です」と決めてくる。自分の魅力を十全に出せているのが偉い!

 

08.高木紗友希『抱いてよ!Please Go On!』

『プリゴー』はコンサートの大盛り上がりのシーンと直接比較されちゃうから、こういう場面で歌うのにはちょっと不利な選曲かも。

 

09.岡村美波『恋しくってごめんね』

全世界中の人を笑顔にしてしまう可愛さ。小指もちゃんと立ってる! 矢島さんが「岡村ちゃん」と呼ぶ度に靖幸の顔が頭に浮かぶ。

 

10.島倉りか『ナセバナル』

歌良かったね! ビヨの曲群よりも低めのこの曲の方がりかちゃんのキーに合ってる。今後はこのキーが生かされるビヨ曲も増えて欲しい。

 

11.石田亜佑美『忘れてあげる』

イスと一人芝居。ダンスだけじゃない石田を魅せてあげる! 一芸盛り込み系の中ではプログラムとしての完成度がもっとも高いガチ路線。

 

12.野中美希『愛して愛して後一分』

過去に歌ったこともあり、リクエストが多かっただけあって歌が合ってる。ただそれはイコール想定しやすいということでもあり、驚きはなかったかも。

 

13.平井美葉『Come With Me』

サビ以外歌わないダンス特化型! 「そんなんあり⁉︎」という声ををネジ伏せるイケ散らかしたパフォーマンス。ただスタンドマイクで歌ってる時ちょっと棒立ちっぽい時間がもったいなかったかな。カッコいいパフォーマンスと緊張が解けて泣きそうになってる披露後のギャップゥ!

 

14.北川莉央『告白の噴水広場

間奏でフルート! 特技を生かしたパフォーマンス。 ただ歌ってる間持ってるフルートが動きを制限しちゃうので、フルートは間奏になってから背中からおもむろに取り出すとかサプライズ要素にした方が良かったのでは。

 

15.小田さくら『引越せない気持』

歌姫さくら、特濃情念で魅せます。もう自身の強みを知り尽くした熟練の横綱相撲。そして昭和の匂い・・・w

 

16.譜久村聖『I WISH』

世界よ聴け。モーニング娘。のリーダーが歌う『I WISH』だ。

この曲をこの説得力で歌えるのは世界で常にただ一人。どう目立つかどう見せるかの次元を超えて、こちら側に愛を届けることを主眼とした姿勢。

そしてモニターに謎の手描きイラストw

 

17.生田衣梨奈恋をしちゃいました!

モーヲタとして最も幸せな記憶と結びついたこの曲は例え生田が歌っても泣けるなぁ(失礼) と思ってたら間奏で突如ラーメン実食チャレンジ。「ラーメンを食べまし〜た」って、俺の涙を返せ!

 

18.里吉うたの『魔女っ子メグちゃん

ダンス特化型再び! 美葉ちゃんとうーたんはその対比で互いのダンス系統の差がめっちゃ際立つので、この二人を同時に採用したアップフロントは改めて超有能!! 歌唱面では一番ハラハラするメンバーだと思ってたけど、ダンスパートと上手く切り分けて危なげなくクリア。

 

19.浅倉樹々『れでぃぱんさぁ』

樹々ちゃんが躍っていると今でもちょっと心配になってしまうな(汗 

つばきであまり聴けない曲調で良かった。

 

20.稲場愛香恋ING

意外!それは『恋ING』! 本人が語る通り引き算を覚えたパフォーマンス・・・というかあまり踊り所がない(汗) 肩が膨らんでてダンスを魅せるのにあまり向いてなさそうな衣装なのも難点か。

 

21.伊勢鈴蘭『ふわり、恋時計』

まなかんとまさかのコンテンポラリーダンス被り。歌詞世界が意外と動的なので『恋ING』よりもダンスが合うし、衣装も美しいバレエポーズのシルエットを決め絵として見せるのに適している。それでいて激しすぎないので歌も万全で、まなかんの印象を上書きしてしまった。

 

22.岸本ゆめのFIRST KISS

お調子者キャラを封印して本気の歌唱で勝負! さすがの実力で、歌だけに絞れば全メンバーの中でも印象は随一。

 

23.松永里愛『友達は友達なんだ!』

実力診断テストには音源のピッチを落として一音一音超細かい調整で挑んだという里愛ちゃんだけど、ここでは自由をテーマに臨んだとのこと。デビューできてちょっと心が軽やかになれたのならいいな。スタイル良し。もうちょっと表情弾けても良かったかな。

 

24.山岸里子『会いたい会いたい会いたいな』

ヘッドセットマイクでイスを使ったパフォーマンス。もろストリップ風ダンスで気まずい(汗) そしてその割には衣装はロング丈のワンピースというね・・・

 

25.小林萌花『初めての経験』

求められた役割はキッチリこなしピアノ演奏。初期真野曲の難し過ぎないダンスを初々しく精一杯踊っている姿が微笑ましい。キレイな音大生のお姉さんがこれ歌って踊ってると思うと無限に愛おしいわ。例えば音大の学園祭行ってその品格の高さに気後れを感じてる時に、ステージ上で満面の笑顔でこんなん踊られたらもう好きになるしかない。

 

26.谷本安美『書いては消してのI LOVE YOU』

とにかくお顔が美しい。「最後に注目!」と引っ張るから何かと思ったら「好きです」と書いたお手紙渡す仕草。つばき一芸シリーズ。

 

27.段原瑠々『Love Take It AII』

クソ高いポテンシャルを生かしてもはや最高トルクでも余裕すら感じさせるパフォーマンス。ステージング、総合力でベストパフォーマンス賞!

 

28.植村あかり『愛はまるで静電気』

え、あーりーってもう歌ウマな方のメンバーなの・・・⁉︎ この美貌で? もう最強じゃん。

 

29.江口紗耶『世界一HAPPYな女の子

まぁるいの顔に長い手足。フレッシュでキュートな歌声。むしろビヨ曲よりもイイ感じかも? 長い間奏にブートキャンプが入るんじゃないかとちょっと期待したw

 

30.佐々木莉佳子気まぐれプリンセス

基本的に高橋メインボーカル曲は莉佳子に合うよね。ダンスはキレとダイナミズム!! その堂々とした姿には貫禄さえ感じさせます。まさにこれぞ「正面突破戦力」。

 

31.上國料萌衣『ロマンティック浮かれモード』

コメントで言ってた「画面越しに楽しんで欲しい」でこの選曲ってそういうこと⁉︎  ワイ集合住宅なんだけど・・・(汗) とにかくニコニコ楽しそうだし、それでいて歌も安定してる。

 

32.西田汐里『お願い魅惑のターゲット

BEYOOOOONDSの歌柱。盛り上げ曲をノリノリで歌っても乱れない呼吸、ピッチ、音程。笑顔でカメラアピールの余裕まで(逆にメロンの暴力的なまでのパワーと荒々しさはないが)。しおりんはあざといんじゃなくて見てくれている人に対して真摯なんだと思ってる。

 

33.牧野真莉愛ハッピーサマーウェディング

顔とスタイルが国宝。天真爛漫なキャラクターの魅力が素直に出てるなー。守りたいこの笑顔。

 

34.羽賀朱音『嗚呼すすきの』

あかねちんの声やキャラクターイメージとはギャップがある情感系の曲へのチャレンジ。マッチングはまだまだだったかな。でもセリフや演技はすごく良かったから、グループで歌う時には見せ場として投入されると思う。

 

 

35.新沼希空有頂天LOVE

きその可愛い声はスマ曲が合うんだよな。謎の団扇オタク芸を披露。つばきのメンバーは何か芸をやろうと頑張りはするんだけど、それが慎ましさから逸脱しないレベルなのが微笑ましいというか、つばきらしいと言うか。いや、これがアイドルとしては適正な範囲で生田がやり過ぎなだけかw 

 

36.小野瑞歩会えない長い日曜日

つばきの一芸シリーズ。フルートの出だしでズッコケたw  間奏の「知らない」のスネた表情からサビの笑顔への展開に心つかまれる! 自分の魅せ方をわかってる。

 

37.川村文乃『素直に甘えて』

セクシーなスタイルにコケティッシュな声というのは、マリリン・モンローやベティブーブといった全世代的なセックスシンボルと同じ組み合わせなんだよね。その魅力か十全に出せる選曲。魚をさばきながら・・・ではなくタップダンスを披露。

 

38.金澤朋子『想いあふれて』

「歌一本で勝負」とカナトモ先輩。その言葉の通り、歌い出すと一瞬でカナトモ・オン・ステージな空間を作り上げていた。さすがにソロステージには一日の長があるなぁ。聴き手の意識へのハック力というか、支配力が違う。

 

39.宮本佳林『学級委員長』

人と競うのではなくただありのままの自分の力を示すことができればそれでいいのだという、卒業を決めた者の余裕。表情ってこんなに微分するかね。バラードでこれだけ聴かせるのはよほど実力ないとな。

 

40.笠原桃奈『シンデレラ/コンプレックス』

一方で歌もダンスもと欲張る強欲は若さの特権。限界の一歩先に挑む懸命さこそが見る者の胸に迫る。

 

41.山﨑愛生『チャンス!』

パンダさんパワーでお団子ヘアからツインテールに変身! これまでの実力診断テストを見守ってくれた歴代パンダさんに囲まれて伸び伸び笑顔のパフォーマンス! きらりちゃんの継承者はめいちゃんや! 司会の矢島さんもすっかりメロメロ親目線。

 

42.秋山眞緒『Midnight Temptation』

自分で振り付けしてダンスで魅せてるのにロングスカートが惜しい・・・と思ったけど、大きい動きで全然ハンデになってなかった。すごい! そして激しく踊ってるのに歌も安定してる!

 

43.加賀楓『シルバーの腕時計』

抜き身の日本刀のようなキレと美貌。 かえでぃーは歌の情感表現に関してはまだまだだと思ってたけど、めちゃイイじゃん! こんなに切ない歌と表情の表現ができるとは思ってなくて、一番驚かされたメンバー。・・・と思ったらやはり本人もそこを主題に練習したらしい。自身への課題設定とその成長成果が最も明確だった。

 

44.山﨑夢羽『奇跡の香りダンス。』

正直この曲は微妙だよね? BEYOOOOONDSの大黒柱なんだから、もっとユハの実力が生かせる選曲が良かった(汗) これからのグループだけにこういう機会ではエースメンはガツガツと実力をアピールして欲しい。

 

45.前田こころ『横浜蜃気楼』

空手はヒジから先の使い方が他の武道とは一線を画する! 「男っぽく」と「女の子らしく可愛く」の間の「カッコいい女らしく」という新領域に挑み、可能性を広げるパフォーマンス。かっけぇ!

 

46.小野田紗栞『ね〜え?』

さおりんには30歳になっても40歳になっても深キョン的なポジションで可愛く活躍してて欲しい。しかし間奏での自撮りパフォーマンスは謎。そして地味w これもつばき一芸シリーズ。

 

47.一岡伶奈『エレガントガール』

喋らなければエレガントないっちゃんw 低めハスキーな梨沙子の声の曲と合うね。

 

48.工藤由愛『SEXY BOY ~そよ風に寄り添って〜』

ステージ上でタコ探しという謎すぎる演出をやり切る姿勢。 本家より1.5倍キレがある。 というか多分こんなキレキレで踊る曲じゃない。カメラ目線でタコを見せつけられると思わず「こっち見んなw」と思ってしまう。

 

49.竹内朱莉『砂を噛むように・・・NAMIDA』

その愛されイジられキャラから歌唱メンであることを忘れられがちなタケちゃん。こういう機会に知らしめておかないとな!という貫禄を感じさせるパフォーマンス。

 

50.橋迫鈴『キャベツ白書』

自身の孫力を自覚してかこの選曲。基本に忠実にリズムを丁寧にとりながら。緊張しながらも精一杯聴かせてくれました。タケちゃんと並びで良かったね。

 

51.小片リサラストキッス

2020年に初期タンが聴けるとは・・・(泣)薄幸そうな小片さんにはハマるなぁ。高音の伸びも声の湿度も。

 

52.清野桃々姫『What is LOVE?』

大トリ! サブちゃん! アクセントで使うのかと思ったらまさかのガッツリサビでトークボックス!  ホースを首に回してドヤッてるのはもう異次元のパフォーマンスだよ桃々姫!!w

 

 

一つ思ったのは、ダンス頑張ってるのにボディラインが見えづらいとか、衣装で損してるメンバーがちょいちょいいたからそこは自由に選ばせてあげたかったな。山岸さんとかあのダンスするならあんな大人しい衣装じゃないでしょう。(いや18禁になるからあれぐらいでちょうど良かったのか・・・)

 

あとできれば歌う前に曲名言うシステムにしないで欲しかった。前奏聞いて「この曲キタァァ!」と高まりたいので。

 

 

 

35.新沼希空有頂天LOVE』きその可愛い声はスマ曲が合うんだよな。あと乙女卍学園も合うと思う。謎の団扇芸w

!!マーク

 

少女たちの時間

昔は芸能界を辞めた人は山口百恵のように一切メディアに露出しなくなることも当たり前でしたが、SNSで個人が発信することが当たり前になった昨今では、ハロプロを卒業したり研修生を辞めた子の今の姿をネットで目にする機会も増えました。そこで気が付くのは、辞めた子がアッという間に垢抜けて綺麗なお姉さんに変貌してしまうこと。それを見ると、ハロのメンバーたちを現状に押し留めている無形の力に思いを馳せてしまいます。

 

もちろん「アイドルファンはロリコンだから」という身も蓋もない側面もあるでしょうが、それだけじゃなくて! これは、大人であるファンの側の時間感覚と年頃の女の子であるメンバーたちの時間間隔が違い過ぎるというのが一つの要因だと思うんですよね。だってとうの昔に青春時代を卒業した大人である我々は、若い子に対して気軽に「もうしばらく今のままでいて欲しい。今のままの君を見たい」と願うものじゃないですか。しかもここで言う「もうしばらく」は数年単位だったりします。だけど、少女たちが感じている日々のスピード感や焦燥感の中では、それは400m走を全力疾走してる途中で「5秒間息を止めて」と言われるのに等しいのかも。そこには絶望的なまでの感覚の断絶があり、悪意なんてなくても、ファンの無邪気な願いが息苦しい抑圧となることもあるわけです。

(笠原さんが濃いリップをつけた時に一部のファンから「大人っぽ過ぎる」なんて非難されたことがありましたが、あれもその一種でしょう。)

 

だけどアイドルが「過ぎ去った青春を幻視したい」というニーズに応えるジャンルでもある以上、その「時間感覚の違い」はもうファンとアイドルの関係性に織り込み済みのもので、彼女たちに向けた視線が抑圧を生んでしまうのは、ファンにとっての避け得ない「原罪」みたいなものです。それを完全に捨て去ることはできない。だけど、だからこそせめて、自覚的でいたいのです。

 

彼女たちが現役の間は了承済みの関係でもあるのでしょう。しかしひとたび彼女たちが自分の力で飛び立とうと決断した時には、ファンはすがりついて押し留めるのではなく、感謝と祝福で送り出さねばならないと思っています。

橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい! 新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」 :その2

先日本屋B&Bさんで行われたトークイベント 橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい! 新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」のレポの続きです。

 

2019年ハロプロ3大トピックとしてゲストがそれぞれBEYOOOOONDSのことを挙げていたので、BEYOOOOONDSがらみの話題はまとめてすることに。そこでは歌詞の初期稿や完成前のデモ音源、MVの文字コンテなど貴重な資料も公開されて、曲ができる過程などが解説されていました。ここでは曲ごとにトピックをまとめて話を再構築しています。

 

 

  ■『眼鏡の男の子』

まずは星部ショウさんから、この曲を「第2回FOREST AWARD NEW FACE オーディション」に提出したのがハロプロで仕事をする切っ掛けで、当初は『眼鏡の男の子』ではなく『眼鏡の女の子』であったという、既に星部さんのライナーノーツで書かれている経緯が一通り説明されます。そしてその最初期の音源が公開されました。この音源は星部さんが『新世紀ミュージック』に出演された際にバックで流れていたものですね。アレンジはアコースティックで今よりずっとメロウな雰囲気。テレビではコメントと重なって聞き取れなかった部分の歌詞が

 

 「桜色したブックカバーに

 隠してるのはどんなストーリー

 いつでも君は僕を素通り

 眼鏡、眼鏡の女の子」

 

 と「ストーリー」と「すどぉーりー」で韻を踏んでてちょっとオシャレだったことが判明。 

 

次に流されたのは、BEYOOOOONDS用であることを前提に調整されたもう少し進んだ未完成音源。既に冒頭に星部さんの裏声による小芝居の掛け合いが入っていますが、登場人物はまだ女子高生3人組のみ。しかしその後の「今日もすし詰め満員電車~」の口上は割と今のままでした。  

 

これが提出された後に、野沢トオル氏によって冒頭の芝居部分の登場人物が9人に増量されて、今の形の大枠が完成したとのこと。 

 

ちなみに上記のデモ音源のアレンジがファミコン風のピコピコ音だったのですが、それを聞いたぱいぱいでか美さんから 

でか美:ファンの方でBEYOOOOONDSの8bit音源を作ってる方いますよね、好きでよく聴いてるんですけど 

と知り合いのセルダー(@selder16)さんの音源への言及があって「今度でか美イベントに一緒に行くしか‼」と個人的には高まりました。  

 

ここから北野さん。BEYOOOOONDSへの参加はシングル各曲のジャケットやMVなど。ジャケットのアートワークは「モーニングみそ汁」と同じデザインチームとのことで、ここで公開された大ラフのイメージ案で既に少女漫画「りぼん」単行本風のイラストが描かれており、全体のビジュアルイメージがこの時点で既に固まっていたことが伺えます。そしてこのデザインラフを描いたのは過去に法廷画家やってた人だそうで、短い時間で人物の特徴を捉えるのがやはり得意とのこと。ちなみに法廷画家の人はMVの撮影に同行して、なぜかみいみとにらめっこをしてたそうですw 

 

『眼鏡』のMVは北野さんがまずあらすじを書いたとのこと。ただ映像監督だけに任せるとなんとなくの芝居をつけてしまうので、北野チームの女性スタッフと一緒に登場人物のこの子はどんな子で電車の中では何をしているのかと、キャラクターの細部・隙間を掘り下げて詰めていったとのこと。例えば江口さんだと真面目な子だから単語帳を見ているんじゃないかとか考えて、その場で単語帳を買いに行ったと。北野チームが「大枠」と「ディテール」の両面から作品世界の構築に貢献していたことが伺えます。   

 

 

 

■『アツイ!』

『アツイ!』のMVは、公開こそアルバムプロモーションのタイミングになったけど、実は楽曲発表順と同じく『眼鏡』の次に製作されていたそうです。 

「確かにみんな若くて…特に美葉ちゃんの顔が幼いと思ってました」

とでか美さん。橋本氏曰く、当初は『眼鏡』の可愛い系か『アツイ!』の激しい系か、どちらで行くんだろうと思わせる作戦だったとか。  

 

ここでモニターに北野氏によるMVのVコンテ(プレゼン用のラフな動画)が映されました。『アツイ!』の音源に合わせてさまざまな動画がコラージュされた映像だったのですが、これがまぁ、まんまアレでアレというか。元ネタ開陳大会と言いますか、当然絶対に外には出せないヤツでして。 

北野:「アツイ!」というか「ヤバい!」って感じですねw  

深夜テンションのままに作られたというこのVコンを見て、「これはイケル!」と思ったと橋本氏。なんでだよ・・・・・・(汗)   

 

 

 

■『Go Waist』

「west」と「waist」とをかけたのは橋本氏の発案。「Go West~」部分を「ビーヨーンズ」にするのは最初の頃から決まっていたそうです。あとは雨子さんが「BEYOND=超える→肥える」と展開してワークアウトソングとして歌詞が進められ、そこにブートキャンプ要素を加えたのは野沢トオル氏。そこからほのピアノをどうするかという話になり、「運動は体操で締めるもの」ということから整理体操を入れることに。ラストに体操が入ると伝えても編曲の大久保薫氏はどういうことかピンときてないようだったので(そりゃそうだ)、橋本氏が仮に体操音を入れた音源を渡したら、「そういうことか」という感じで納得してくれて完成したと。 

 

ここで雨子さんによる歌詞の初期稿がモニターに映されたのですが、サビが 

も~Waist 燃やしてこう

も~Waist モヤシ食おう 

となっており、雨子さん曰く「今見るとゾッとする」とのことでしたw  

 

MVに関してはテレビ番組をザッピングするアイデアは当初からあったと北野さん。ただサヤーズ隊長は今でこそ江口さんに腹筋メイクしたものになっていますが、当初はパンプアップした江口さんが本当に別人に変身して全然知らないマッチョなおばさんになる予定だったとか。歌部分はそのおばさんがちゃんとリップシンクまでする予定だったそうで、もし実現してたらメロン記念日が黒人男性に入れ替わった『お願い魅惑のターゲット』以来のクレイジー案件になってたことでしょう。夜中の1時にムキムキの女性のリストをみんなで見てキャストのリストアップまでしたけど、ギャラの問題で断念したとのこと。   

 

 

 

■『ニッポンノD・N・A!』

当初のタイトルは『怒れD・N・A!』。初期デモ音源が流されたのですが、これが今とはまったく別モノのテンポも緩いダサラップw 

ヘーイ YOー 1億2600万人のジャッパニ~ズ♪

(ジャッパニ~ズ)

みたいな。メロディも違ってましたね。

 

 次の段階のデモは緩い縦ノリのいわゆる『おら、東京さ行くだ』的なIKUZOラップ。 

 

この後でDA PUMPの『USA』を意識してユーロ路線に舵を切り、日本にユーロサウンドを広めた人と言えばTK! という流れからTKサウンド路線で進めることに。披露された次の段階のTKコードデモでは「生粋の内弁慶~」の部分が「「生粋のお人良し~」とか歌詞はまだ未完成でしたが、メロディとしては今の大枠は固まっていた印象でした。あと歌詞で日本の良いところを羅列してるんだけど、

「カラオケ・胃カメラ・ウォシュレット!」

なんて歌詞もあって、「語呂がイイ!」とひとしきり盛り上がる 。 

 

でこのTKサウンドでまんまとひっかかっ…(ゲフンゲフン)乗って頂いたのがDJ KOOさんで、KOOさんがTwitterで言及した後でYouTubeの再生数が一気に伸びたと橋本さん。

 

余談ですが北野さんはハロコンにDJ KOOさんに出てもらって trfはテツヤ・コムロ レイブ ファクトリーの略ですからー!」って言ってもらうことを提案したけど、苦笑いで流されたそうですw  

 

MVにおける、とある会社の放送室から始まって、社内を巡って、屋上に行って主張して・・・という大枠は北野さんの最初のラフコンテでもうできていたそうです。会社で書類の紙吹雪の中で歌うのは新宿三井ビルののど自慢大会などもイメージソースになっているとか。 いろんなことが繋がっているなあ・・・。

 

 

■『恋のおスウィング』

この曲は詞先で製作。『眼鏡の男の子』の世界観を広げるという趣旨の発注で、雨子さんが詞を書き、そこからセリフを追加したりと調整が入って完成。  

 

 

 ■『高輪ゲートウェイ駅で抱きしめて』

こちらも製作の経緯は星部さんのライナーノーツに書かれている通りなんですが、星部さんと橋本さんがヒャダイン氏のラジオに出演した文化放送からの帰り道の電車内での会話を小芝居で再現してて、それに対して雨子さんから

「オジサン2人がいちゃいちゃデートしてるようにしか見えない・・・」

というツッコミが入ってました。  

 

 

『高輪』の流れから橋本さんより「BEYOOOOONDSの弱点は時世に合わせ過ぎなこと」というお話が。春には高輪ゲートウェイ駅ももう完成してしまうし、『元年バンジージャンプ』も今年には合わなくなってしまったと。ただでか美さんから「2年は言いづらいけど、3年はできる」とも。

「さぁ、3年だバンジージャ~ンプ♪」

確かに。     

 

 

北野氏曰く、BEYOOOOONDSはシングルからアルバムの期間も短くスケジュールもタイトで、MV3種ジャケ6種は地獄だったと。徹夜続きの合宿状態で、星部さん・野沢さんとよく一緒にご飯に行って「俺たち頑張ったな」とお互いを褒め合って乗り切ったそうです。良い話かと思いきや雨子さんより

「なんで私は呼ばれてないの!? 私も頑張ったよ??」

確かに。   

 

 

 

 ■総括

さまざまな要素がてんこ盛りのBEYOOOOONDS楽曲群やMVがどういう発注がされ、どういうやり取りの中で作り上げられたのかはずっと不思議だったのですが、今回お話を伺ってそれが見えてきましたね。大勢の人物がアイデアを出し合ってブラッシュアップ・・・というかカオス度をどんどん盛り足していってでき上がったんだなと納得できました。煩雑なやり取りと連絡のタイムラグを避けるためにグループLINEなども駆使して効率化を図っているのも印象的。

 

そしてカオス度を上げるに当たって、従来のハロプロにはなかった要素を加えたのが北野篤さん。星部さんや雨子さんはこれまでの実績もよく知られていましたが、北野さんに関してはBEYOOOOONDSがらみで初めて名前を知ったという方も多いかと思います。モーニングみそ汁とかセカパカの時にはお名前を出されてませんでしたからね。ご本人的にも2019年は「自分の名前を出していこう」と意識されていたらしく、そのことから「BEYOOOOONDSの話題の盛り上がりは自分をフックアップしてくれた」という感覚があるとのことでした。

 

 名前を聞き始めてからも具体的にどういった要素を担っているのかはいまいち見えて来なかったのですが、お話をうかがっていると、BEYOOOOONDSにおける面白い要素のかなりの部分が北野さん発案。MVやアートワークにおけるアイデア出し、0を1にする作業は基本的に北野チームの担当のようでした。遊び心のあるアイデアマンで、しかも「実力診断テスト」なんて単語が普通に会話の中に出てくるあたり、ハロプロにも相当詳しい。信頼できるキーマンという印象で、今後もBEYOOOOONDSにもガッチリ関わり続けて頂きたいですね。 

 

 

残る話題はレポその3へ続く・・・・・・かも?