えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

映画『JOKER』

 

映画『JOKER』は暴動を誘発するなんて前評判でさんざん煽られたわけだけど、全然そんなことはありませんでした。ある意味上手い宣伝だったのかな?

 

映画ではアーサーがJOKERとして<羽化>するために、弱者に厳しい社会状況だけじゃなく、どれほどのパーソナルな悲惨が必要だったか。それをこれでもかと丁寧に描いています。

 

どれほど社会的抑圧を感じていようと、あれほどの悲惨を自分の人生に持ち合わせない我々凡人はせいぜいが彼の背景で車を燃やしているクソザコになるしかありません。そしてこの映画に魅了された観客はJOKERになりたいのであって、クソザコになりたいわけではありませんからね。

 

凡人ではヒーローはおろかヴィランにすらなれないのだと、むしろアーサーとの弱者としての格の違いを見せつけられた気分になりました。彼もまたブルースとは別の意味で選ばれた特別な存在なのです。そう思うと凡人にとっての最大の悲惨は、人生に何もないという虚無と、その空虚な日々が延々と続くことかもしれません。