えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

『魔女/THE WITCH』

 

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韓国映画の『魔女/THE WITCH』は相当面白かったです。『LUCY/ルーシー』とか『キャリー』みたいな超能力覚醒ヒロインものって結構あるけど、覚醒した後のアクションって当然超能力(CGエフェクト)が主体になりがちなんですよね。でもこの作品のアクションはあくまでベースは「暴力」。サイキックは荒々しい暴力をより野蛮にブーストしているに過ぎません。そういった意味では覚醒ヒロインものというよりは、『アジョシ』とか『イコライザー』みたいな「ナメてた相手が殺人マシーンもの」に近いのかもしれません。

 

とりすました一級品ではなく、どうしたって暴力シーンで脳汁を射精するのが主眼のジャンル映画ではあるのですが、だからこそより気持ち良くイクためにはそのシーンに至るまでのお膳立てが大切で、本作に関してはその部分に関しても特筆すべきものがありました。

 

多くはネタバレになるので言えませんが、一つはヒロインの覚醒前と覚醒後でのギャップですよね。この振り幅がこの手の作品の中では一番大きいんじゃないかと思います(それこそ『LUCY』なんかスカーレッと・ヨハンソンですからね。覚醒前からブラックウィドゥじゃんwってなる)。覚醒前は本当に「普通の女学生」という雰囲気なんですよ。ヒロインの女優さんはこれがデビュー作らしいけど、よくこんな子を在野から見つけて、しかもいきなり主役にキャスティングできるなって感心しました。この普通感こそが作劇上のキモとは言え、保険として美男美女の俳優人気に頼りたいという気持ちもあったでしょう(邦画だったらそうなってたのが目に見える…)。でもこの作品の場合、「覚醒前後のギャップを魅せる」という軸がブレたら作品が台無しになりますからね。無名役者で行こうと決め、それを完遂できる韓国の製作陣は肝が据わってますわ。