えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

道重さゆみへの大恩

その昔は、タンポポや仲間にかける想いを −−他ユニットにジェラシーや順位が及ばない悔しさといった、そこまで言っていいの?っていうネガティブなものも含めて−− 誰よりもストレートに表に出してくれていたのが飯田圭織その人でした。私が好きになった圭織はそんな人でした。


だけど初代リーダー・中澤裕子が卒業し、その後を継いで彼女が2代目リーダーになった時、それまであれほど見えていた彼女の想いは私には見えなくなってしまいました。リーダーとしての立場を優先させ、自分の感情を殺していたのでしょう。本人もリーダーになってメンバー間に差をつけちゃいけないと仲良かった辻ちゃんとも距離をおいたと語っていました。それを聞いた時は本当に悲しかった。でもそれだけ、激流に晒されたあの時代のモーニング娘。を受け継ぐのは大変だったという事でしょう。今でこそリーダーの代替わりは当たり前の事となっていますが、当時は「リーダーを受け継ぐ」という事自体が前例がない事でしたし、しかも絶頂期から下降していく時勢の中で グループの存続自体も常に危惧される時代でもありました。その重圧は計り知れません。


だけどそれまで彼女からあれほど潤沢に提供されていた共感の材料が提供されなくなったのは、私には辛いことでした。リーダーとしての曖昧な笑顔や正しいコメントではなく、ネガティブなものでもいいのからありのままの圭織の気持ちを曝け出して欲しいと願い続けていました。そしてそれが叶えられずに、自分の中から熱量が少しずつ失われていくのをただ黙って見送っていく月日を過ごしました。


だから今、道重さんが、リーダーとしての役割を全うしつつも、道重さゆみ個人としてのアピールを絶やすことなく、自分の感情を伝えてくれているのが心から嬉しいのです。グループにかける想い、メンバーにかける想い、歌にかける想い、去って行った仲間にかける想い、かつての時代に対する嬉しかった事、悔しかった事…。それだけじゃなくもっと日常的な嬉しかった事、おかしかった事から、ガッカリした事まですべて。今のさゆを見ていると、希望が与えられずにもがいていたかつての自分が、あの頃の自分の萎んだ魂が 救済されていく気がするのです。


そしてあの特番でのインタビューです。


飯田圭織
「元の振り付けをつけてもらったメンバーもどんどん減っていって。この振り付けはこういう意味合いがあるんだ、っていうのが込められてのダンスだったんですけど、新メンバーたちはそれは知らない、それはわからない、ただ形だけ踊ってるっていう風になってしまったんですね。だからそれをしっかりと説明して、しっかりと受け継いでもらおうという事を全力でやる。それがやっぱりモーニング娘。っていうグループを長く続けていくための私の使命なんだって言う風に心にして、厳しくしてましたね。やっぱり私が卒業して次に渡すわけですから、リーダーっていうものを託すわけですから、やっぱり不安もあるんです。


道重さゆみちゃんが後輩たちに喋ってるのを、教えてあげているのを見て、ちゃんと私たちが教えたことを後輩に教えているんですよ。同じ気持ちを持ってステージに立ってくれてるんですね。それってすごく感動的だったし、道重さゆ…『さゆ』って呼んでるんですけど、さゆがしっかりとモーニング娘。を引き継いで教えてくれているって言うのを確認できて、すごくやっぱり感動しましたね」
リンク先 2:09より)



まったく形は違えども、私と同じように、圭織もまた今の道重さんの姿の中に、あの頃の辛かった時代に対して「報われた」という感慨を抱いたことに、なぜか私の胸は締め付けられたのでした。


私も、私がかつて好きだった人も、道重さんによって救われ、報われた。
この大恩をどうやって返していいのか私には見当もつきません。何もできない凡百の身ではありますが、私は彼女に永遠の忠誠を誓い、叶う事ならばこの心身を捧げたいと思います。