えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

吉川友 『One For You!』

なんとなく、ほとんどの曲の編曲を手掛けているmichitomoって人がプロデューサー的な才能も持ったキーパーソンなのかなって思いました。全体的にはタイトルが印象に残りにくい曲が多いのだけが難点。



『〜ignition〜』
キータッチ音から始まるインスト曲。



『こんな私でよかったら』
最新シングルなんでこの位置に。
サビに向けてゆっくり立ち上がる曲なんで、1曲目がこれというのはちょっと立ち上がりが大人しい気はしますね。



『Sweetie』
軽快な電子音に彩られたテンポの良い曲で、サビで一気にテンションアップする構成はコンサートのスタートダッシュにも最適。実質的にはこれがオープニングナンバーって感じでしょうか。
限界高音で「キミのSweetie! Sweetie! Sweetie!!」
と連呼して畳みかけるサビがとにかく高まります。
あと『こんな私で…』もそうだったけど、この編曲の人のブレイクの使い方は好みですね。




『きっかけはYOU!』
シングルの時も好きだったけど、このアルバムの中では「2番バッター」としての安定感がハンパない。『Sweetie』の勢いのまま雪崩れ込んで来る。


『Knight Flight』

一転、しっとりとしたピアノ伴奏から入るスローバラード。
アルバムの中のバラードって失速させ過ぎると聴き手のテンションも下がってエンストを起こしちゃうんですけど、この曲はサビにはちゃんと歌謡曲的な大仰さを持った盛り上がりがあることと、切ない失恋ソングながら「忘れないよ」「君から旅立つ」という前向きな内容であることでエンストが回避されています。
全体にバラードの処理は考え抜かれていると思いますね。



『Time to zone』
小沢健二の『愛し愛されて生きるのさ』の間奏にも似た弾むようなアコギのリフから入って、冒頭にいきなりサビが来る構成。語彙の少ない私はこういう曲に対する評価はただ一つで、すなわち「ご機嫌なナンバー」ということになります。冒頭でそれが保障されて、最後まで期待は裏切られない。


『会いたくなったら』
ミドルテンポの落ち着いた恋愛ソング。冒頭にサビを持って来ることでテンションが下がり切ることを回避されています。


『水色』
エレキギターから入るロックサウンド…なんだけど音はだいぶ後ろにいるので印象としては王道のアイドルポップ。サビの裏声になる高音は、歌声が秋の空に吸い込まれて行くような解放感。



『ヒラヒラ星』
ピロリロリロ〜というデジタルサウンドとエフェクトボイスで歌われるスペーシーなサビ。要するにテクノ風味ではあるんだけど、Perfumeブレイク後のアイドルアルバムに相応しく、『インターネットキューピット』とかよりはずっとスタイリッシュに洗練されていると思います。ほんでこのジャンルの例に漏れず、相対的に歌い手がその人個人である必然性は薄い。そう考えるとアイドルソングとしてはやっぱり『インターネット〜』の方が正解なのかなぁ…



『さよなら涙』
この曲だけ編曲はイワツボコーダイ氏。
失恋がテーマだけどそこそこアップテンポの曲で、これもサビが冒頭に来る構成。

ただ歌詞の中に「思い出は水色〜」ってフレーズがあって、これとは別に『水色』って曲があるので混乱する。



『ありのままのI LOVE YOU!』
密やかなピアノが夜のバーラウンジの雰囲気。
バラードだけどちゃんとサビは切実感が盛り上がる構成。



『ハピラピ〜Sunrise〜』
2ndシングル。アルバムに収録されたことで一番ジャンプアップした曲。シングルで聴いてた時にはタイトルとサビの歌詞に引っ張られてノ−テンキな印象しかなかったけど、アルバム中で『ありのままの〜』の後の位置にあることで、Bメロ部分の切なさ要素にすごく意識が行くようになりました。そうすると、そのBメロを受けてのサビは「切なさを含んだ明るさ」となって魅力が倍増! ああ、今選考するなら去年の楽曲大賞にこれをランクインさせてたんだけどなぁ。



『ハコの中のブルー』
一番ストレートに「J-POP」なのがこの曲なのかな。ManishとかKixsとかが歌ってても不思議じゃない。ストライク年代なんで好きですね。「ああこういうサビね」と思ってからもうひと展開あって楽しい。



『Make YOU!』
セカイ系? 
アジテーションとまではいかないけど、比較的勇ましい系です。