えだは

モー神通信のTKです。ほんばんは。

ハロプロ楽曲大賞

昨日はハロプロ楽曲大賞2012の発表イベントを見て参りました。例によって「普通に良くできたテレビ番組を見ているみたい」な完成度の発表映像と、「ヲタだからこその対象に対する飽くなき探求心と熱の籠った語り」という、仕事要素と趣味要素の両方の良さが奇蹟的に融合したイベントで、朝まで6時間、楽しみながらアッという間に過ごさせて頂きました。


順位発表は公式サイトを見て頂くとして、何はともあれ一番喜ばしいのは去年に比べ投票参加者が倍増したということ。私も投票はずっとしてたけどイベントに行ったのは久しぶり。テキストサイトモーニング娘。の蜜月時代の象徴とも言える九十九式の宮本氏も実に7年ぶりの参加するなど、「戻って来た」人々もたくさん投票したのでしょう。でも決して出戻り組だけじゃなくて、会場のお客さんが全体的に若返っていたことからもわかるように、新規のファンが増えたというのも大きいはず。Twitterなど新しいツールもそういった広がりに貢献しているんでしょうね。思えば2chの隆盛と共にモー娘。が盛り上がったり、モーヲタサイトが次々とblog化してったり、SNSの隆盛と共に廃れていったり、ハロプロとその周辺文化はその時代その時代の様相とリンクした動きを見せているのも興味深いですね。


で、結果としては新生モーニング娘。の始動を象徴する1曲『One・Two・Three』はまさかまさかの2位で、1位はBuono!の『初恋サイダー』という衝撃の結末。2位発表時は怒号が飛び交ってましたw 残念ながら今年の娘。はシングルリリースがどれも良過ぎた! 他のシングルが『大阪恋の唄』とか『しょうがない夢追い人』とかだったらみんな『One・Two・Three』に票を集めただろうに、どのシングル曲も良かった! おまけにアルバム曲やカップリングまで良かった! そしてそれらを歌うコンサートも文句のない出来だった! そりゃあ票は割れるよ! チクショー! まさか非の打ち所のない1年の活動がこんな所で裏目に出るとは…。あと正直、油断はあったよね。みんなアレなんじゃないの? 「ほっといても『One・Two・Three』は1位になるだろうから俺はこだわりのこの一曲に入れよう…」なんて考えたんじゃないの? 


いやぁでも『One・Two・Three』に1位になって欲しかった。1位の『初恋サイダー』がつんく♂曲みたいな破綻した部分がない整った曲だっただけに余計に。やっぱ良いも悪いもクセが強い部分も含めてハロプロを好きになった身としては特にね。で、そんなBuono!さんのお話。

.

Buono!

Buono!は結成時点から今に至るまでメンバーも曲もずっと高レベルで安定してるから、あまり「この年がBuonoの年!」って気がしないんですよね。『スクランブル』が1位の年とかは「あーごっちんコンの年だったなぁ」って思うでしょ? そういうのが薄い。もちろん今年は海外でのライブとか、他軍を鎧袖一触で斬り伏せた『ゆび祭り』とか今年ならではの活躍もあったわけですけど、私の目から見るとそれは単に売り手のスケジュールの問題であって、あの3人だったら1年前でも2年前でもそれが可能だったような気がするんですね。と言うか結成時でも既にそれぞれBerryz℃-uteの人気と実力を兼ね備えたエースメンバーだったわけですから。メンバー的に見てもそれ以前も交流があった者同士で気心も知れているわけですし、やっぱグループとしての経時変化は小さい。そういう意味で「その年を象徴する一曲」と言うには何か味気ない。13位を見て「アップアップガールズ(仮)が『アッパーカット!』に始まる躍進を開始した年」と言った方がしっくり来るぐらいで。


ただしそれは長く見ている者の視点だから言えることで、今年に入ってハロプロに興味を持ち出した人にとっては真っ先に目に入る「頂点」であったことも想像に難くありません。実際コメントを見てるとこの曲でハロプロに興味を持って…という意見も多く、この曲が1位に輝いた要因の一つは新規層からの支持を集めたというのもあるのかなと。ですから『初恋サイダー』が1位だったということを以って「2012年はBuonoの年だった!」と言うのはピンと来ないかもしれないけど、「2012年は新規のファンが増えた年だった!」とは言えるような気がします。そういう意味で、やはり今回のランキングは2012年を象徴するものだと思うのです。


(いや、もちろん普通に良い曲なんで従来のハロプロファンの方もたくさん投票してますけどね)



ちなみに私の投票内容はコチラ!


その他

そういや『PMPW』の時に壇上で「郵政省かなんかのタイアップを取れればよかったのに」って話になったんだけど、宮本さんが「つんく♂はたまに勝手にタイアップっぽい曲を書くよね」っておっしゃってて、確かに『頑張れ、日本サッカーファイト』とか唐突にあったなと思い出す。そのクセ、本当にタイアップの時には応援歌に『ザ・マンパワー』とかわけの分からないものをかますという。


45位『笑顔に涙 〜THANK YOU! DEAR MY FRIENDS〜』
あれだけモーニング娘。愛に溢れていたガキさんですから、彼女の卒業に関してはどっちかと言うとモーニング娘。楽曲に焦点がいってしまう。だから私にとっては「ガキさん卒業ソング=『涙ッチ』」なんですよねぇ。この曲がこの位置に甘んじたのはそういうことではないかと。


43位『Going my ↑』
アップアップ(仮)のことを全く知らないでゅえろうさんがこれに驚いてたので私はドヤ顔で「まだまだ上に2・3曲は入って来ますよ」とお知らせしておいた。この曲は「あの日から何回『Hello』という言葉交わしただろう」、「一緒に夢語ってた子がミニスカートで輝いてる。頭でわかってても悔しくて涙した」、「皆が先に進んでも折れない。まだ折れない」などとハロプロを辞めさせられたことに関する恨み節の自己言及が具体的過ぎる。そこがファン的には熱いんだろうけど、逆にファン以外の人から見た入りづらさにもつながって、アップアップの曲の中では伸び悩んだような気がします。


42位『大好き100万点』
41位『LOVEイノベーション
この2曲が全体の中で一番「思ったより低い!」と感じた曲ですね。他の娘。のカップリングやアルバム曲がコンサ中の唯一のポジションや役割を得ているのに対して、この2曲はこの2曲同士で食い合ってるという気もしないではない。『LOVEイノベーション』はまだ披露もされてないし。


『大好き100万点』は歌詞で「日帰りのデート」とわざわざお断りしてるのが面白い。「香水」とか「海岸ドライブ」とか大人っぽいキーワードが出て来たので「大丈夫だよ、一線はまだ越えてないよ」とファンを安心させようとしたのかな。ありがとうつんく♂さん。安心した!


『LOVEイノベーション』に関しては飯窪さんの「もう見〜に〜行くしか!」というパートが大好きです。声もよれてるし、不安定なんだけど、そのぶん恋愛に舞い上がって上ずった感じがよく出ている。こればっかりは、楽譜通りの上手なボーカルではダメで、あの飯窪さんのヨレっとした歌唱でないと表現できないと思います。こういう「巧さ」を超えた魅力こそアイドルソングの本領だし、こういう駄目なテイクを活かしてくれているうちはハロプロの音楽性を信頼できると思うのです。


40位『アイサレタイノニ』
加入当初の五期メンが「愛されたいのに…」って歌ってたら納得なんだけど、9期ってどっちかと言えば一番歓迎されながら入ってきた期なので(なんせメンバーが3人減った後だからそりゃ増員するだろって感じだったし)、愛されてないことを前提とした「愛されたいのに…」ってフレーズがいまいち似合わない気がしちゃうんですよね。そんなこと言われてもめっちゃ愛してるっちゅーねん!


37位『UPPER ROCK』
『アッパーカット』、『めちゃキュンサマー』はCD余らせた人から無料でもらったので、これが私が初めてアップアップに直接お金を落とした楽曲になります。壇上でも放されていた通り、ボ−カルはトラックの中に深めに埋め込まれているんだけど、なぜかその方がこのグループが持つどこか凶暴でプリミティブなエネルギーは前に出ているような気がします。


33位『キャベツ白書』
スマイレージの和田さんと鞘師によるSATOYAMA企画デュオ。『SATOYAMAライフ』でバラード調のサビだけ聴いて、「どうせ農業+『トイレの神様』なんだろ」って思ってたけど、Aメロのテンポに変化があって面白く、思ったよりもずっと楽しめました。作曲が『紫陽花アイ愛物語』の人と聞いて納得。あれもテンポいじりでちょっと変化をつけてた曲だったしね。


14位『こんな私でよかったら』
2月の時点では「多分、よほどの曲が出て来ないと今年の楽曲大賞はこれを1位に入れると思います」と私が書いてた曲。そのよほどの曲が出ちゃったんでこの順位に甘んじていますが、もちろん今でも大好きです。詳しくはコチラの日記で。私はフリコピする時はMV版のフリですね。


13位『アッパーカット!』
アプガの最上位曲。「ボクシング」というモチーフをひとネタ乗せることで「夢に向かって頑張ってる私たち」という自己言及に誰にでも楽しめる普遍性が加わってます。『Going My ↑』より↑にいくのはそういう所の一工夫ではないかと。単純に高まる曲でもありますがね。


11位『カリーナノッテ』
これ最初に聴いた時は途中まで「あー渋谷系とか好きだった人は好きなんだろうねー」と思ってたけど、ブリッジの展開で名曲確定。ただ、こういうオサレな方向性で洗練されると、曲への評価が歌ってるアイドルそのものへの執着に変換されていかないんですよね。歌い手に執着させるにはやっぱどこかベタな要素がないと (まぁ、この曲の場合は歌ってるのはコピンクというキャラクターなのでそれでいいんですが)。で、歌い手への執着が生まれないとグッズは売れないし、動員は伸びないしで、このCDが売れない時代にアイドルとして活動するには限界があるような気がします。トマトゥンパインが良曲を出し続けながら活動休止するのもそうことなんじゃないかと。


6位『The摩天楼ショー』
多分、イベント会場で一番フリコピ熱が高かったのがこの曲。この曲の編曲がファンク名人・鈴木俊介じゃなかったら票が割れずに『One・Two・Three』が1位になったのになーと贅沢なボヤキ。


4位『悲しきヘブン』
『The摩天楼ショー』が会場で一番「皆で盛り上がった」曲だとしたら、この曲は感想を語らうことも、フリコピすることもできず一番「ただ圧倒された」曲だと思います。ただ、運営側にはカップリング曲の順位が表題曲をブッチ切っていることを売り出し方策の「失敗」と認識していて欲しいですね。


3位『Loving you Too much
なんだろう。曲もMVも良かったけど、何よりカバー曲なのにこんなにちゃんと「ハロプロ楽曲」臭が出ているのが素晴らしい。サキラップとか盆踊りとか、あの辺の取り入れ方が絶妙ですわ。